公開 : 2019/02/18 : 2022/03/04
日々進化するHDDやSSDって分かりにくくなりましたよね。
今回は動画編集するために必要なPCの周辺機器をご紹介し、どんな用途で使うのがベストなのかを解説します。
10年以上動画編集に関わってきた僕なりの考えをまとめてみたので参考になるかと思いますよ。
動画編集はHDD選びを間違えるとストレスになる
動画データは重たいので古いHDDを使って編集すると、転送速度が悪いので動画がうまく再生されなかったりコピーが遅かったりします。
最新のHDDならすぐに再生される動画でも、古いHDDだと再生されるまで数秒〜数十秒かかる場合だってあるんです。
再生するだけで数秒〜数十秒かかってしまったら編集どころではないですよね。
これはPremiere Pro CCに限らず全ての動画編集ソフトで起こります。
使うHDDによって書き出しに通常の2倍以上もかかる場合もあるので、編集マンはHDDの知識は必須スキルです。
現在はHDDに代わる次世代の大容量記憶媒体SSDが普及し、ケーブル選びも重要な要素になってきました。
この記事ではHDDとSSDの特徴と選び方・おすすめのHDD、SSDを紹介していき、最後にケーブルの種類と特徴にも触れていきます。
目次
次世代の大容量記憶媒体SSDとHDDの特徴と比較
SSDとは
SSD(ソリッドステートドライブ)とは次世代の大容量データ記憶媒体です。
HDDと比較すると以下のことが挙げられます。
メリット | デメリット | |
HDD |
SSDと比較すると大容量 比較的安価 寿命は徐々に壊れるため買い替え時が分かる |
構造的に衝撃に弱い 消費電力は比較的大きい |
SSD | 衝撃に強い 消費電力が少ない 動作音がない HDDよりも小さく軽い 形状が色々ある |
HDDと比較するとまだ容量が少ない まだ高価 突然故障してデータの復旧が困難 書き込み・削除を頻繁に繰り返すと寿命は短くなる (書き込み・削除を繰り返さなくても経年劣化で寿命がくる) |
2016年頃にSSDを購入した場合、500Gで2万円前後で1TBは市場にありませんでした。
2020年のSSD価格は、1TBで1〜2万円なのでかなり安く購入できます。
今後さらに安価・大容量になり、HDDの代わりとしてSSDが主流になってくるでしょう。
SSDの購入を検討している方はぜひ「ケーブル」について理解しておくとSSDの性能をフルに引き出すことが出来ます。
(SSD・ケーブル・PCの3つがThunderbolt3に対応している場合、最も速い転送速度が得られます。)
「据え置きHDD」「ポータブルHDD」「SSD」の違いと購入ポイント
据え置きHDDは電源あり、SSDやポータブルHDDは電源なしが多い
ポータブルHDDは持ち運びに便利ですが、自分で給電できないものが多く、主にPCから電力を分けてもらいます。
しかしPCも電力が必要です。
必要な電力をポータブルHDDに分けているわけですから、その分PCのパフォーマンスは落ちてしまう可能性があります。
据え置きHDDの場合、自分で給電できるので安定した電力を常に確保しPCに負荷をかけずHDDをつなぐことができます。
容量が違う
SSDやポータブルHDDは容量が3TB以下の商品が多いです。
据え置きHDDは10Tb以上ある大容量なものも存在します。
まずは外出先で使うことが多いか、動画データを保管するために使うのかでどのタイプを買うか選びましょう。
コネクタの数が多い
コネクタとは差し込み口のことを言います。USB3.0・TYPE-C、Thunderboltなど色々なコネクタがあります。
SSDやポータブルHDDのコネクタは、1つか多くても2つです。
対して据え置きHDDは、2つ以上ある場合が多いです。
これはHDDを数珠繋ぎ(デイジーチェーンと言う)でつないだり、色々なコネクタに合わせるため数が多くなっています。
最近の据え置きHDDも価格を抑えるため、コネクタの数は少なくなってるように感じます。
以上のことを踏まえまとめました。
据え置きHDD | ポータブルHDD | SSD | |
価格 | 数千〜3万円以下 | 1〜10万円 | |
容量 | 3Tb〜 | 250G〜3Tb | 250Gb〜2Tb |
価格と容量のバランス | ◯ (3Tb 3万円前後) |
◯ (2Tb 2.5万円前後) |
△
(1Tb 3万円以上 Thunderbolt3対応だと7万円以上) |
重さ | △ 比較的重い |
◯ 比較的軽い |
◎ とても軽い |
大きさ | △ 大きい |
◯ 小さい |
◎ とても小さい |
持ち運び | △ | ◯ | ◎ |
電力 | ◯ 自身で給電可能 |
△ PCから給電 |
△ PCから給電 |
コネクタ数 | 2つ以上 | 1〜2つ | 1〜2つ |
落下衝撃吸収 | △ (重さもあるのでポータブルと比較すると弱い) |
◯ (衝撃吸収カバーが付いている場合) |
◎ 衝撃に強い |
データのコピー | ◯ | ◯ | ◎ (1Tbのデータをコピーした時USB3.0では1時間以上かかるが、Thunderbolt3対応のSSDだと10〜20分で終わる) |
軽くて持ち運んで作業したい方は、文句なしでSSDかポータブルHDDです。
1TBのSSDは1〜2万円で買えるようになってきたので、個人的にはSSDの方がおすすめです。
デスクトップPCしか持っておらず持ち運びしない人、データ保存用としてHDDの購入を考えている人は据え置きHDDの方がいいですね。
これを買えば間違いない!僕が使ってる周辺機器を紹介
LaCie HDD ポータブルハードディスク 2TB
ケーブルが一体化されたポータブルHDD。超便利!
Thunderbolt2とHDDが一体となっていて、ケーブルを探す手間がなくて楽なんですよね。
オレンジの衝撃吸収ゴムがおしゃれで、カバンの中に入っても見つけやすい!
最近このタイプのSSDが売られてますが値段がちょっと高い…
僕の感想では動画素材が3時間未満、動画の尺が15分前後であれば2TBで十分対応できます。
G-Technology (HGST) G-DRIVE with Thunderbolt 6TB
WDとBUFFALOは余計な機能が付いててちょっと使いにくいと感じる僕はG-DRIVEを愛用。
Thunderbolt3に対応したTYPE-C2つとUSB3.1対応のコネクタ1つ付いてます。
6TBあれば3年くらい中身を整理しなくても十分対応できる容量だと思います。アルミボディがかっこいいですよね!
SanDisk ポータブルSSD 1TB
こちらの商品は「Thunderbolt3」に未対応でですが読出し速度 最大550MB/sと高速です。
価格は抑えたいけどSSDが欲しいという方にはおすすめです。
お試しで買ってみましたが、速いし軽いし買って良かったなと思いました。動画編集はこれで十分対応できます。
SSD最高ですよ!
Samsung ポータブルSSD 1TB
こちらはThunderbolt3に対応のポータブルSSDで、読み込み:最大2,800MB/s 書き込み:最大2,300MB/sを実現してます。
Thunderbolt3に対応したPCを持ってる方はめちゃ速くなりそう!
僕は持ってないので体感したいです。
SSDの性能は「ケーブル」でも違いが出る ケーブル選びまとめ
なぜSSDはケーブル選びでも違いが出るのかを説明する前に、分かりにくい話になるので結論を先に書きます。
購入者目線 | 実際に購入するケーブル | リンク |
SSDの恩恵をフルで受けたい方 | 「パッシブケーブル(1m未満)」を購入 | Apple Thunderbolt 3(USB-C)ケーブル(0.8m) |
SSDの恩恵は別にいいや、ケーブルの長さが欲しいという方 | 「パッシブケーブル(1m以上)」を購入 | 認証済み Cable Matters Thunderbolt 3 ケーブル 20 Gbps サンダーボルト 3 ケーブル 100W充電 2m ブラック |
ケーブルの長さも1m以上でSSDの恩恵をフルで受けたい方 | 「アクティブケーブル(2m)」を購入 ※アクティブケーブルはUSB3.1Gen1(USB3.0)に対応していません。 |
認証済み Cable Matters Activeタイプ Thunderbolt 3 ケーブル サンダーボルト 3 ケーブル 40 Gbps 100W充電対応 2m ブラック |
「アクティブケーブル」「パッシブケーブル」とは
アクティブケーブルの特徴は、ICチップが内蔵型で長距離接続に向いている特徴があります。しかし、汎用性は低いのであまり普及してません。
パッシブケーブルの特徴は、ICチップは非内蔵型で色々な機器に接続できるという汎用性の高さが特徴です。しかし、長距離接続には不向きです。
SSDとPCを接続するなら長距離接続するわけではないので、パッシブケーブルを使用するのがベストです。
アクティブケーブル | パッシブケーブル | |
IC内蔵 | 内蔵型 | 非内蔵型 |
汎用性 | 低い | 高い |
長距離接続 | 適している | 不向き |
適した使用用途 | 離れた場所にある機器同士の接続に適している | 切替器・分配器などの接続に適している |
ケーブルの性能「Thunderbolt3」「USB3.1Gen2」「USB3.1Gen1(USB3.0)」の違い
これら3つの性能の差はどれくらいあるのかを表にまとめました
Thunderbolt3 | USB 3.1Gen2 | USB3.1Gen1 (USB3.0) |
|
最大転送速度 | 40Gbps | 10Gbps | 5Gbps |
最大モニター出力 | 4K×2(リフレッシュレート60Hzまで)、または5K×1 | 4K 60Hz×1(一部環境では不可) | 環境による |
SSDはThunderbolt3に対応していることが前提です。
ちなみに「USB3.1Gen1」とは現在一番普及している「USB3.0」と呼ばれているものです。
こう見るとThunderbolt3の「40Gbps」は際立って良いですよね。
ケーブルの勘違いされやすい4つの原因
「Thunderbolt3」
「USB3.1Gen2」
「USB3.1Gen1(USB3.0とも言う)」
はとても勘違いされやすいです。ケーブルだけ購入する時はよく分かっていないと失敗します。
勘違いする4つの原因をまとめました。
原因1 コネクタが同じ
「Thunderbolt3」
「USB 3.1Gen2」
「USB3.1Gen1(USB3.0)」
この3つの端子は全てUSB Type-Cというコネクタが使われています。
「コネクタが同じだからどれも同じ性能」と勘違いしちゃうんですよね。
原因2 ケーブルの見た目が特に変わらない
どのケーブルも色・形状が変わらないので見分けがつきません。まあケーブルなんでしょうがないんですが…
特に購入後、「このケーブルは何に対応しているのか?」となってしまいます。
色々なタイプのケーブルが混在する場合、ケーブルタグを使って管理しておくといいかもしれないですね。
これも「色や形状が同じだから性能は変わらない」と思わせてしまう原因だと思ってます。
原因3 メーカーの売り方がバラバラ
販売メーカーが商品のウリを強調しすぎで、店頭で売られている表示が全てバラバラでよく分からなくなってます。
下記はほんの一例です。
店頭の表示 | 実はこういう意味をもっているかも!? |
USB3.1Gen2対応 | Thunderbolt3には未対応 |
USB3.0対応 | Thunderbolt3、USB 3.1Gen2は未対応 |
USB Type-C対応 | ただコネクタを言ってるだけ Thunderbolt3、USB 3.1Gen2は未対応の可能性がある |
Thunderbolt3対応 | 全てに対応している |
これらの表示に「超高速!」とか「転送速度2倍」とか色々つけられるとイマイチ分かってない消費者はどれがいいものなのか分からなくなってしまいます。
※表示が「超高速!」となっていても何をもって超高速なのか分からない。
※表示が「転送速度2倍」となっていてもどれと比較しての2倍なのか分からない。USB2.0と比較している可能性すらある。
原因4 ケーブルも対応しているもの・未対応のものが存在する
ケーブルにはThunderbolt3に対応・未対応があります。
Thunderbolt3対応のSSDだっとしても、ケーブルを間違えればThunderbolt3の恩恵を得られません。
USB接続 USB3.1Gen1 |
USB接続 DisplayPote |
Alternate Mode接続※1 Thunderbolt3 (20Gbps) |
Alternate Mode接続※1 Thunderbolt3 (40Gbps) |
|
USB Type-Cケーブル USB3.1 |
◯ | ◯ | ケーブルによる | X |
Thunderbolt 3ケーブル パッシブ (1m未満) |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
Thunderbolt 3ケーブル パッシブ (1m以上) |
◯ | ◯ | ◯ | X |
Thunderbolt 3ケーブル アクティブ |
X | X | ◯ | ◯ |
※1…Alternate Mode接続とは、USB Type-C以外のケーブルを使ってデータを転送することをいう
とりあえずThunderbolt3対応のパッシブケーブル1m未満を購入すれば全対応なので問題ありません。
アクティブケーブルはUSB3.1Gen1(USB3.0)に対応してないので注意してください。
ケーブルを購入する時のポイントまとめ
まとめると
・ケーブルの種類で転送速度が変わる
・転送速度を気にしなければ安いケーブルでOK
・Thunderbolt3に対応したい場合、パッシブケーブル(1m未満)を購入する
購入者目線 | 実際に購入するケーブル | リンク |
SSDの恩恵をフルで受けたい方 | 「パッシブケーブル(1m未満)」を購入 | Apple Thunderbolt 3(USB-C)ケーブル(0.8m) |
SSDの恩恵は別にいいや、ケーブルの長さが欲しいという方 | 「パッシブケーブル(1m以上)」を購入 | 認証済み Cable Matters Thunderbolt 3 ケーブル 20 Gbps サンダーボルト 3 ケーブル 100W充電 2m ブラック |
ケーブルの長さも1m以上でSSDの恩恵をフルで受けたい方 | 「アクティブケーブル(2m)」を購入 ※アクティブケーブルはUSB3.1Gen1(USB3.0)に対応していません。 |
認証済み Cable Matters Activeタイプ Thunderbolt 3 ケーブル サンダーボルト 3 ケーブル 40 Gbps 100W充電対応 2m ブラック |
終わりに
HDD・SSD・ケーブルはPCのスペックに依存します。
そもそもスペックが悪いPCにThunderbolt3対応のSSD・ケーブルを挿してもなんの恩恵も得られないので注意してくださいね。
1年後のSSDの価格はさらに安くなってHDDと変わらない価格にまで下がる可能性もあります。
入れ替えが激しい商品なので、いつ買うか悩むよりも欲しいと思った時に買うのが一番いいと思いますよ。
電車の中、ちょっとした隙間時間にお試しください。