公開 : 2021/08/09 : 2022/03/04
Premiere Pro CC2021からキャプション機能が大幅にアップデートされ、自動文字起こし機能が追加されたので使い勝手を検証しました。
ざっくり説明するとこんな機能です。
僕は字幕テロップはほとんど使いませんが、コメントテロップはたくさん入れます。
なのでキャプション機能でコメントテロップがどこまで作れるかをメインに検証しました。
結論を先に伝えると、複数の人が話している場面ではまだ改善の余地がありそうです。
1人で話すようなドキュメンタリー番組やYouTube動画には効果がありそうだなと感じました。
では、具体的な使い方を解説したいと思います。
キャプションの使い方
ウィンドウ>テキスト
これでテキストとキャプションのウィンドウが開きます。
画像左は文字起こしのみ行います。
あとでテキストに書き出す時に便利ですよ。
画像右はシーケンスにコメントテロップを自動で入れてくれます。
これを試したい!ということで
「シーケンスから文字起こし」をクリックします。
設定画面が表示されます。
画像左の黄枠を設定します。
オーディオ分析は各トラックごと、ミックスした状態で書き出すことができます。(今回はオーディオ1に設定)
言語は日本語。
イン・アウトの範囲のみを文字起こししたい場合は「インポイントからアウトポイントにのみ録音」にチェックを入れます。
文字起こし開始を押してしばらく待つと、画像右の「文字起こし」に文字が入りました!
「キャプションを作成」を押すと設定画面が出てきます。
設定はこんな感じです。
「シーケンストランスクリプトから作成」
キャプションプリセットを「文字放送のデフォルト」
形式を「サブタイトル」
スタイルを「エッセンシャルグラフィックスで登録したデータを選択」
しかし「test2」を選択しているのになぜが「なし」と表示されます。
黄枠の数値を変更すると、文字の編集点が変わります。(あとで詳しく解説します)
形式をサブタイトルにしないと、エッセンシャルグラフィックスで登録したマスタースタイルを選択できません。
タイムライン上には「サブタイトル」トラックとして表示されるみたいですね。
サブタイトルトラックも編集点を追加したり文字を修正したりできます。
タイムライン上で操作できるのはありがたいですよね。
全体的な使い方はこんな感じです。
では、さらにどんなことができるのか検証していきます。
文字は直接またはキャプションから修正できる
画像の黄枠と矢印部分は、僕の滑舌が悪くて「左下」が「被弾した」になってしまった部分です。
これを修正する方法は2つあります。
文字起こしを直しても意味がないので間違えないようにしましょう。
編集点を作って文字を分割する
テロップを分割する方法も2通りあります。
これはタイムラインから直接編集点を作った方が速そうだなと感じました。
文字を結合する
文字を結合する方法も2通りあります。
好きな方を選んでいいと思います。
僕はプログラムモニターの文字をコピペする方が楽に感じました。
テキスト原稿として、サブタイトルトラックを書き出す
キャプションの「・・・」 > SRTファイルに書き出し
これでサブタイトルトラックに乗っているクリップを書き出すことができます。
書き出したSRTファイルはドラッグ&ドロップでPremiere Pro CCに読み込めます。
テロップ原稿だけを書き出したい場合は
キャプションの「・・・」 > テキストファイルに書き出し
これでテキストファイルとして書き出されます。
制作がコメント原稿を作る時は、この方法が速いかもしれません。
サブタイトルトラックを増やす
サブタイトルトラックがある状態で、もう一度キャプションの作成を行うとサブタイトルトラックが増やせます。
キャプションの作成をする時に色々な設定に切り替えてみましょう。
下のトラックは全ての数値を最小にした結果で、上のトラックは最大にした結果です。
個人的には、数値を最小にした方が良い感じかなという印象です。
線グラフは「単一」の方が精度が良いように感じます。
エッセンシャルグラフィックスでテロップの色を変更できる
一度キャプションで作成したテロップの色を変更する場合は、エッセンシャルグラフィックスから色を変更できます。
最初に雛形テロップを流し込んだあと、部分的に色を変えるという方法がいいかもしれません。
マスタースタイルが「トラックスタイル」という名称に変わってました。
文字起こしの文章を変更したらイン・アウトは反映されない
今回のテストした音声では、「はい、じゃあ〜〜」といった感じで話しています。
この最初の「はい、じゃあ〜〜」を文字起こしの方でカットしたらどうなるのか試してみました。
結果はインのタイミングは全く同じ状態でクリップが作られました。
うーん…ここは「今回は〜〜」からクリップが始まってほしいところ。。
とりあえず文字起こし機能を使うよりも、音声を整理してから文字起こし機能を使った方がいいかもしれません。
サブタイトルトラックは1列しか表示できない
サブタイトルトラックは複数のトラックを作れますが、最終的に表示されるのは1トラックのみです。
もう少し幅広い使い方ができるようになると嬉しいですよね。
2人の声を自動で認識できない
まだ搭載されたばかりということもあり、2人の声を自動で認識できません。
しかし、スピーカー1、スピーカー2と選べる仕様になっているので、いずれ対応される可能性があります。
もし複数の人の声を聞き分けられるようになったら革命が起こりそうですね!
エッセンシャルグラフィックスは中央揃え・下揃えでスタイル登録する
エッセンシャルグラフィックスのスタイル登録でも2つ注意点がありました。
キャプションを使ったテロップ入れの場合、テキストボックスが自動で作られます。
テロップは常にテキストボックス内に入るため、左揃えだと画面の中心にレイアウトされません。
同じようにテキストを下揃えにしておかないと、予想以上にテロップが上にレイアウトされます。
ひとつずつ修正することはできますが、手間を考えると最初から設定しておく方がいいかなと思いました。
1人で話している動画とは相性が良い
今回キャプション機能を使ってみて、基本的に使いやすくていいなぁと思いました。
ただ、番組で使うとなるとちょっと難しいかなという印象です。
まとめると
番組によっては時短できる可能性を秘めているので、試してみるのはアリかもしれません。
電車の中、ちょっとした隙間時間にお試しください。