公開 : 2021/08/01 : 2022/03/04
Premiere Pro CCのステレオとモノラルの設定について解説します。
Premiere Pro CCは、音の設定が少し面倒なんです。
というのも、編集中のクリップをステレオからモノラルに変更できないからです。
最初の設定を間違えてしまうと、クリップを塗り直しになってしまいかなりの時間を割かなくてはいけません。
例えば100カット分の音声クリップがあり、これをモノラルに変更しようとした場合、同じ操作を100回繰り返さなければいけません。
これは辛いですよね。
こうならないために、最初の段階でステレオ・モノラルのどちらで編集すべきか考える必要があります。
でも難しく考える必要はありません。
こう覚えておきましょう。
モノラルを使う場合、ピンマイクなどで収録する必要があります。
収録でピンマイクを使っていない場合、どちらの設定でも構いません。
では詳しい設定方法を解説していきます。
目次
シーケンスをステレオトラックにする
L・Rの音声が同じ音が入っている場合、シーケンス設定のオーディオはステレオトラックにします。
項目 | 説明 |
マスター:ステレオ | ステレオトラックを作ります。 |
トラックの種類:標準 | ステレオに設定するときは標準にします。 |
パン/バランス | L・Rに音を振り分けます。 |
シーケンス設定でセットしたオーディオは変更できません。
ステレオに設定したら、あとでモノラルに変更できないので注意してください。
もしモノラルに変更する場合は、新しくシーケンスを作成し、クリップをコピペで移動しましょう。
ステレオトラックは1トラックにL・Rの2つの音声が入ります。
オーディオトラックミキサーはこんな感じです。
黄枠部分に何も表示されません。
モノラルだとここに表示があるんですが、ステレオだと無くなります。
そして、赤枠がパンバランスです。
L方向に回すとLの音が大きくなり、Rの音が小さくなります。
シーケンスをモノラルトラックにする
収録した音がL・Rで違う場合、モノラルシーケンスにしておくと便利です。
項目 | 説明 |
マスター:マルチチャンネル | モノラルの設定です。 |
チャンネル数:2 | 4でもOKですが、PCによっては音声が聞こえなくなる可能性もあります。 チャンネル数を2にしておくと大きなトラブルは起こりません。 |
トラックの種類:モノラル | ー |
出力の割り当て | ここでチャンネル数で設定したチャンネルが出てきます。 1-2chに振るか、3-4chに振るかを決めます。 |
パン/バランス | L・Rに振るため「-100」「100」を交互に設定します。 後からでも変更可能です。 |
モノラルトラックは、1トラックに1つの音声が入ります。
単体で音声ボリュームを調整できるようになります。
テレビ制作では、音の専門家(ミキサー)に音声データを送り調整してもらいます。
オーディオトラックミキサーを見てみると
黄枠にコントロールできる画面がでてきました。
一番右の「2」を「4」に変更し、「1-2」を「3-4」に変更すると、3・4chから音を出力させることができます。
赤枠のパンバランスはL・R「100」に設定しないと、音のレベルが下がってしまいます。
ステレオより細かい設定ができる反面、慣れないとちょっと苦労するのがモノラルです。
結論を言うと、音声を細かく調整したい方はモノラル設定。
各トラックの音声バランスを整えるくらいであればステレオ設定でもOKという感じです。
音の設定を気にせず収録した場合、チャンネルが分かれていないのでステレオ設定の方がいいと思いますよ。
ステレオ・モノラルで素材を読み込む
設定を変更すると動画素材を読み込む時に、ステレオ・モノラルを選べます。
ステレオで読み込んだ素材を使い編集した場合、あとで音声を細かく調節したいと思っても遅いです。
動画素材をモノラルに変更し、タイムラインに並んでいるクリップをすべて貼り直さなくてはいけません。
こうならないために読み込む時の設定はモノラルの方が安全なのかなと感じます。
Premiere Pro CC>環境設定>タイムライン
デフォルトのオーディオトラックをモノラルに設定します。
これで読み込んだ素材はモノラルになります。
逆にステレオで読み込みたい時は「ステレオ」にします。
クリップを読み込んだあと、モノラルに変更できる
右クリック>変更>オーディオチャンネル>ステレオをモノラルに変更
これでステレオからモノラルへ変更できます。
しかし、シーケンスに入れたクリップはモノラルにならないので注意してください。
ステレオ・モノラルは気付きにくいので、クライアントからもらったシーケンスがどうなっているのか確認するクセをつけておきましょう。
自分で設定する場合は
ちゃんとした機材で音を収録する時はモノラル設定。
スマホやGoProなどで収録した素材はステレオ設定と覚えておくと良いですよ。
電車の中、ちょっとした隙間時間にお試しください。