ロールモードとリップルモードの違い・具体的な操作方法とは -Premiere Pro CC

公開 : 2021/04/27 : 2022/03/04

ロールモードとリップルモードは、編集作業にとって欠かせないツールのひとつです。
使い分けできるようになると、作業効率が大幅に上がるので覚えておきましょう。

まずは色の違いから。

  • 赤:ロールモード
  • 黄色:リップルモード

  • ロールモードの方がよく使い、変な誤操作はあまり起こりません。
    リップルモードはかなり癖があり、使う時は注意が必要です。

    ではロールとリップルを使った時、どのように変化するか。

    ・ロールモードは、尺を変更せず映像・音声を伸ばす(縮める)。
    ・リップルモードは、会話と会話の間を広げるために尺を伸ばす。(尺を短くする時は別の操作をします)

    ロールモードとリップルモードのざっくりとした違いを知る事ができたと思うので、ここからもっと深堀りしていきたいと思います。

    目次

    ロールモードの使い方・使用場面について

    ロールモードの使う場面はシンプルです。

    映像(音声)の編集点を伸ばす(縮める)時に使う

    これだけ覚えておけばOKです。
    あとは伸ばすクリップが、映像、テロップ、音声なのかの違いで使い分けます。

    では実際の操作方法を見てみましょう。

    再生ヘッドまでクリップを伸ばす
    画像 操作内容
    赤矢印の再生ヘッドを伸ばしたいところに止めておきます。
    そして、伸ばしたい編集点の端を選択しロールモードにします。
    Fキー(僕のショートカットの場合)を押すと、再生ヘッドまでクリップを伸ばせます。

    テンキー入力でもクリップを伸ばしたり縮めたりできます。

    テンキーで入力する
    画像 操作内容
    クリップの端を選択し、ロールモードにします。
    「+OO」と入力すれば、ロールモードで選択した編集点が右へ移動します。
    「-OO」と入力すれば、ロールモードで選択した編集点が左へ移動します。


    最後にマウス操作でも編集点を動かすことができます。

    マウスでスライドさせる
    画像 操作内容
    クリップの編集点をつかみながら左右にスライドさせます。
    この操作は再生しながらもできますが、コマ落ちが一時的に激しくなる可能性があります。

    この3つの操作に慣れればロールモードは使いこなしたといってもいいです。

    続いてリップルモードの使い方です。

    リップルモードの使い方・使用場面について

    リップルモードは、クリップとクリップの間を広げる時に使います。
    ・会話と会話の間を広げたい
    ・もう少し余韻を残したい

    とにかく「編集点の間を伸ばす時に使う」と覚えておきましょう。

    操作方法はロールモードと変わりません。

    画像 操作内容
    編集点を選択しリップルモードにします。
    テンキーで「-OO」と入力すると、音声トラックに隙間ができます。
    これで編集点の間が伸び、全体の尺も伸びました。
    マウスで左側にドラッグしても、同じように編集点の間を伸ばすことができます。

    ただ、リップルモードを使う時は注意点が2つあります。
    ・リップル操作する前に編集点を作る
    ・全体の尺を短くできない

    です。

    リップル操作する前に編集点を作る理由

    下の画像で、赤矢印をリップル操作した場合、❶と❷の動きはどうなるでしょうか。

    ❶は動きません。❷だけが動く感じです。
    理由は、リップル操作をした編集点の「右側」にあるクリップが対象になるんです。
    ❶の編集点はリップル操作をする位置よりも左側にあるため、動かないんですよね。

    ❶のクリップも動かす場合は、リップルモードしているタイミングに編集点を作りましょう。

    編集点をつけることで❶のクリップも移動するようになります。

    全体の尺を短くできない理由

    もうひとつの「全体の尺を短くできない」を解説します。
    正確に言うと「できはするけど、やらない方がいい」ということです。

    リップルモードを使う場合、クリップとクリップの間に隙間がない状態は短くできません。

    上の画像はピッタリくっついていますね。
    この状態だとリップルモードで短くできないんです。



    クリップとクリップの間に隙間があれば全体の尺を短くできるんですが、、
    これがとても分かりにくいんです。
    画像はV1の動画をリップルする前と後の画像です。

    A1音声の編集点の隙間がなくなっていますね。
    それ以外にも、テロップ01〜03、テロップ05も左に移動しています。
    しかし、テロップ04だけが左に移動していません。



    次に、テロップ01をリップルした時の画像です。

    テロップ05だけが左側に移動し、他のクリップは移動していません。



    続いて、テロップ02をリップルします。

    今度はテロップ01とテロップ05だけが左に移動しました。
    テロップ01に関しては、リップルしたテロップ02よりも左に移動しています。



    こんな感じでリップルするクリップが違うと左に動くクリップが変わっちゃうんですね。
    最後にテロップ03をリップルした画像です。

    今度は何も変化がありません。
    理由はV1のクリップに隙間がないためです。
    こんな風に「ここが引っかかってるからリップルできないな」とか考えながら操作しなくちゃいけないんです。

    色々なクリップが複雑に絡んでいる場合、リップルモードで尺を短くするのは避けましょう。
    だから全体の尺を短くする時は違う方法を使います。
    以上がリップル操作で尺を短くしない理由でした。

    まずはロールモードの操作を完璧にしよう

    ロールモードとリップルモード。
    どちらがよく使うのかと言われると、間違いなくロールモードだと思います。
    「ちょっと使い分けが難しい…」
    と思ったら、リップルモードは使わず、まずはロールモードだけ覚えてください。
    これだけで相当な時短になるはずなので。

    僕が作成した本では、このロールモードをめちゃくちゃ使って12分くらいの素材を4分くらいにしています。
    編集点もたくさんあり、やりがいのある内容になっているのでぜひ試してみてくださいね。


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    電車の中、ちょっとした隙間時間にお試しください。