公開 : 2019/12/19 : 2022/03/04
今回はPremiere Pro CCのバグで僕が経験したものを紹介します。
もしこの症状が起こったら、この記事に書かれている対応策を参考にしていただければと思います。
Premiere Pro CCバグの内容は、プロジェクト名が「ガイド」と「作業用」2つあり、「ガイド」のプロジェクトからエフェクトをコピーし、「作業用」のプロジェクトへ「属性をペースト」すると、キーフレームがついてこないという症状です。
2人以上でモザイク入れ作業する時など、エフェクトのキーフレームが反映できないと意味なくなりますよね。
この原因を探るために色々と検証した結果、バグではないかという結論に至り記事にしました。
Premiere Pro CC2017〜2019で起こっている現象なので、注意してください。
目次
他にもPremiere Pro CCには様々なバグがあります。
対応策を知っているだけで時間のロスを防げるのでこちらの記事も参考にしてください。
レガシータイトルテキストテロップ・psdデータで検証
まず、テロップを入れる時にエフェクトが反映できるかを検証しました。
現象を確認するために行ったテスト
1.新規プロジェクト・新規シーケンスを作成し、タイムラインにカラーバーやカラーマットを入れ、ブラー(ガウス)をかけキーフレームを作成しプロジェクト名を「001」にして保存。
2.新たに新規プロジェクト・新規シーケンスを作成しプロジェクト名を「002」で保存。
3.「001」のシーケンスから、ブラー(ガウス)が入っているクリップをコピーし、「002」のシーケンスに属性をペーストしてキーフレームを反映
上記のテストでは、問題なくキーフレームごとペーストされました。
どうやらテキスト関係は問題なさそうです。
静止画データと動画データで検証
静止画と動画データを合わせた場合も検証しました。
動画はmp4、mov、mxfやフレームレートを24、29.97、59.94にしたサンプル動画と、調整レイヤーやクリアビデオなど、Premiere Pro CCで作れるものを含めて検証ました。
僕が実際に起こった形を再現して行いました。
・モザイク入れを2人以上で行い、ブラー(ガウス)が1〜2つかける
・素材が入ってるHDDは1台のみで、2人目用にmp4を作成しておく
・2人目はmp4でモザイクを入れ、最後に「属性をコピー&ペースト」でモザイクを合体させる
結果は理解できないくらい壊れます!
まず、動画データにかかってるキーフレームを静止画データに「属性をペースト」すると、エフェクトはかかるけどキーフレームが付いてきません。
ここはPCを変えて検証してもキーフレームがついてこなかったので、確定だと思います。
次に、調整レイヤーやクリアビデオに「属性をペースト」してブラーのキーフレームがついてくるか。
結果はエフェクトはかかるけど、キーフレームはついてこない確率が非常に高かったです。
「非常に高かった」という表現にした理由は、1回だけキーフレームがついてきたからで、理由もよくわかりません。
最後に、mp4やmovなど動画データに「属性をペースト」したところ、
基本的にエフェクトもキーフレームもついてきました。
しかし、これも検証を進めていくうちに、キーフレームがついてこないことも稀に起きました。
意味不明ですね。まとめます。
エフェクトコピーする素材 | 属性をペーストする素材 | 検証結果 |
静止画(jpg,psdなど) | 静止画(jpg,psdなど) |
エフェクト…◯ キーフレーム…◯ |
静止画(jpg,psdなど) | 動画(mp4,movなど) | エフェクト…◯ キーフレーム…× |
静止画(jpg,psdなど) | 調整レイヤー、クリアビデオなどPremiere Pro CCにあるもの |
調整レイヤー・カウントダウンマーク エフェクト…◯ キーフレーム…× クリアビデオ・カラーバー・カラーマット・ブラックビデオ・レガシータイトル エフェクト…◯ キーフレーム…◯ |
動画(mp4,movなど) | 静止画(jpg,psdなど) |
エフェクト…◯ キーフレーム…× |
動画(mp4,movなど) | 動画(mp4,movなど) |
エフェクト…◯ キーフレーム…◯ 時々バグる可能性あり |
動画(mp4,movなど) | 調整レイヤー、クリアビデオなどPremiere Pro CCにあるもの |
調整レイヤー・クリアビデオ・カラーバー・カラーマット・ブラックビデオ・レガシータイトル エフェクト…◯ キーフレーム…× カウントダウンマーク エフェクト…◯ キーフレーム…◯ |
検証をまとめると、Premiere Pro CCは静止画と動画を区別しているように感じます。
しかし完全には区別できておらず、特に調整レイヤーなどは反映したりしなかったりと不安定でした。
調整レイヤーやクリアビデオを使ってエフェクトを入れる方は、キーフレームが反映されるか自身のPCでも確認することを強く勧めます。
ちなみにこの検証をした時のプロジェクトデータは605kbだったので、プロジェクトが重いから起こる現象ではなさそうです。
どちらかというと、静止画と動画をまとめて選択し、「属性をペースト」することでキーフレームが反映されるもの・されないものの処理にバグが生じてしまうのではないかと推測します。
Premiere Pro CCを再起動・実行ファイルの初期化も効果なし
Premiere Pro CCを再起動すれば直るかな?と思い、再起動してみましたが改善されませんでした。
実行ファイルを初期化したらさすがに大丈夫だろうと思い試しても改善されません。
Adobeに問い合わせても、Adobe側で現象を再現できないので解決策が見つかりませんでした。これは迷宮入りの予感です…
なのでキーフレームが反映されない現象が起こった場合、以下の対処法が望ましいと思います。
対処法1:キーフレームをコピー&ペーストする
属性をペーストするのではなく、キーフレームを選択しコピー&ペーストするとキーフレームは問題なく反映できました。
しかし、この方法も反映できる時とできない時があり、万能とはいえません。
対処法2:クリップをコピー&ペーストし、置き換える
不思議なことに、「属性をペースト」をするとキーフレームが反映されませんが、クリップごとコピー&ペーストした場合、キーフレームはついてきます。
これを踏まえ、対策を考えました。
1.キーフレームがついているクリップをコピーする
2.クリップごとペーストする(素材の上のトラックにペーストする)
3.反映させたいクリップをマッチフレームする
4.ペーストしたクリップを置き換える
5.もとの素材にかけていたパラメータを移植
ちょっとごちゃごちゃになりそうなので、ひとつずつ解説していきます。
1.キーフレームがついているクリップをコピーする
まずはキーフレームをつけたクリップをコピーします。
2.クリップごとペーストする(素材の上のトラックにペーストする)
同じタイムに移動したらペーストします。
この時、もとの素材は下のトラックにあるようにしておきましょう。
3.反映させたいクリップをマッチフレームする
下のトラックにあるもとのクリップをマッチフレームし、ソースモニターに映します。
すでにイン点とアウト点は打たれているので、打ち直さなくてOKです。
4.ペーストしたクリップを置き換える
タイムラインに移動し、ペーストしたクリップを選択して「クリップの置き換え」を行います。
これでキーフレーム付きのクリップに置き換わりました。
5.もとの素材にかけていたパラメータを移植
最後に、素材にLumetriなどで色補正していた場合は属性をコピー&ペーストして反映させましょう。
以上でキーフレームを完全に移植することができます。
慌てず冷静に対処しましょう。
電車の中、ちょっとした隙間時間にお試しください。