【レイヤー効果】エンボスだけマスターすれば他の効果も理解できる -Photoshop

公開 : 2019/07/18 : 2022/03/04

Photoshopのレイヤー効果の中にある「エンボス効果」を覚えるだけで、全てのレイヤー効果を理解できるようになります。
エンボスの基本的な使い方から応用技まで濃い内容になっています。
レイヤー効果をかけるのが苦手な人、今までなんとなくエンボスを使ってた人には参考になる記事ですよ。
この記事はこんな人に読んでもらいたいです。

  • ・エンボスかけるのが苦手、よく分かってない人
  • ・Photoshopの装飾がうまくつけられない
  • ・映像制作の人

目次

これだけは守って欲しい!テロップ作りは包括光源をオフに

包括光源をオフにする

包括光源とは光の角度を調節する場所です。
中心から離れる(真横から光を当てるイメージ)ほど光の当たり方が強くなり、中心に近づける(真上から光を当てるイメージ)と柔らかい光の当たり方になります。

「包括光源を使用」にチェックを入れると、全てのレイヤーが同じ位置から光が当たるようになります。
光源を一致させたい時には便利な機能なんですが、テロップを作るだけならチェックを外した方がいいです。

包括光源にチェックを入れない理由
  • ・派手なテロップと少しグラデーションがかかったテロップを同じ画面に表示させたい
  • ・ベースの左上は少し明るくしたいけどテロップは右下を明るくしたい
  • ・このテロップは右下が明るくして…これは右上が明るい感じにした

これはほんの一例で、書ききれないくらいあります。
僕の経験を振り返ると、テロップ装飾では統一した光源をあまり気にしない傾向にあります。(15年前は気にしてる人もいました)
ディレクターや演出の方は、オシャレなテロップを求めていて全体的な光の当たり方なんて気にしないんですね。

包括光源はレイアアウトが変わる可能性がある

包括光源の注意点

「包括光源を使用」にチェックを入れる事で、他のレイヤーのデザインが変わってしまうこともあるので注意が必要です。
というのも包括光源は「ドキュメント単位で同じ位置から光源を当てますよ」という意味なので
ドキュメント内にある複数のレイヤーにエンボスをかけた場合、全てのレイヤーが対象になります。

画像のようにレイヤーが2つあり、片方の包括光源を修正すると、もう一方のレイヤーも修正されるためテロップの装飾が崩れてしまいます。
知らない内にテロップデザインが変わってたらどうなるか…作り直しです。
こんなリスクを背負ってまで「包括光源を使用」にチェックを入れる必要はありません。

「包括光源を使用」はデフォルト設定にチェックが入っているので、チェックを外し忘れる人が多いです。
チェックを外すクセをつけないと取り返しのつかない事態を招いてしまいます。

1文字単位でグラデーションをかけられる

エンボス効果で1文字単位にグラデーションをかける

エンボス効果というだけで、「文字や枠を立体的にするもの」という認識は間違いです。
効果を弱めれば、1文字単位でグラデーションをかけることができます。
これは別のレイヤー効果「グラデーションオーバーレイ」でもできません。
一例として数値を書いておきます。

ベベル(内側)
滑らかに、深さ50%
サイズ130
ソフト16
角度137.0
光沢輪郭を半円
ハイライトのモードを100%
シャドウのモードを0%

これを作る時のポイントは2つあります。
1つ目は、画像右のプレビューが左上だけ白くなっている状態にすることです。サイズを大きくすることで立体感が薄れ、グラデーションをかけている感じになりますよ。
2つ目は、シャドウのモードを0%にして暗い部分を表示させないようにします。

エンボスには2つの描画モードを設定することができ、基本的には明るい・暗い部分を分けて立体的な雰囲気を演出します。
しかし画像のようなグラデーションにしたい場合は、は明るい部分だけを表示させます。

リングと輪郭を使ってぷっくりした立体が簡単に作れる

リングと輪郭でぷっくりしたエンボスにする方法

とは言ってもテキストや枠を立体的にするのがエンボスの本来の役目です。
より縁をクッキリさせるためには輪郭をパキッとさせなければいけません。数値は以下の通りです。

  • ・境界線のサイズを13に設定
  • ・エンボスはベベル(外側)、シゼルハード、サイズ12、角度131・33、光沢輪郭:リング、ハイライトのモード79%、シャドウのモード55%に設定
  • ・輪郭のエレメントを円錐、範囲を80%に設定
どうですか?エンボスだけじゃ再現できないぷっくりとした立体感が得られます。ポイントは光沢輪郭をリングに指定し、輪郭を円錐にして範囲を80%にするところです。輪郭を使うことでさらに立体的な印象を与えることができますよ。

はみ出たエンボスは他のレイヤー効果で削り取る

右下に入れたドロップシャドウにエンボスをかけたい!だけどドロップシャドウまでエンボスかけると左上にエンボスがはみ出してしまう…
左上だけマスクを抜くのも面倒だし、かと言って左上にドロップシャドウを入れたら立体感がなくなってしまう…

テロップ作成している人ならこんな経験に悩んだ事あると思います。僕はめちゃくちゃ悩んでどうやったらエンボスをはみ出さずにするか試行錯誤し、ついに見つけました。
作り方は簡単なのでぜひ試してみてください!

  • 1.レイヤーをフォルダに入れる
  • 2.フォルダにレイヤー効果をかける
これだけでエンボスのはみ出た部分が削り取られます。
ポイントは光彩(内側)など目立たないものでレイヤー効果をかければ装飾を損ねることはありません。サイズも最小単位で問題OKだし、不透明度が0%じゃなければ、はみ出たエンボスを削り取る事ができます。不透明度1%でも問題ありませんでした!
エンボスのバリエーションを増やせるので超オススメです!

ドロップシャドウにエンボスをかける

エンボスを2つ重ねるという発想は持っていますか?例えば境界線とドロップシャドウにエンボスをかけたいと思った場合、上記のエンボスを削り取る方法よりもエンボスを2つ重ねた方がキレイな仕上がりになります。 ドロップシャドウにもグラデーションを簡単にかけられるようになりましょう。
僕が知っている番組の演出系テロップは、よくこの方法が使われていて僕もドロップシャドウを少し立体的にさせるために使います。
ドロップシャドウにエンボスをかけるのって意外と面倒だったんですけど、この技を使うようになって超楽になりました。

ポイントはドロップシャドウの色をブラックにせず、少しだけ色をつけたりグレーにすることでエンボスが付けやすくなります。
みなさんにも使っていただきたい技なのでぜひ試してみてください。

テクスチャは強くかけすぎるとエンボスがなくなってしまう

エンボスにあるテクスチャは質感を出す時にとても便利な機能です。
しかし質感を出しすぎると、エンボス効果が薄れてしまいベタッとした感じになるので注意が必要です。
実際に使ってみて思ったことは、テクスチャは深さ10〜30くらいにするといい感じになります。テクスチャを2つ重ねる場合は強くなりすぎないように注意しましょう。

エンボスだけで色々な効果を生み出すことができますね。これをマスターすればテロップ装飾に困らないですよ。しかもエンボス効果をしっかり理解できれば他のレイヤー効果も使いやすくなります。ほとんど同じ機能なので。
エンボスは複数かけられるようになるとテロップ作りがめちゃくちゃ楽しくなります。
というのも、今まで何となくつけてたレイヤー効果がイメージ通りにかけられるようになるので「あーこんなの作りたいな」がすぐに完成してしまうからです。

しかし、すぐに使えるようになるわけではありません。
僕の経験では少なくても100通りのスタイルを作成し、自分好みのスタイルを見つけてすぐに作れるように何度も反復する。これをやらないと成長しません。
いい感じの装飾ができたら即スタイル登録してませんか?速くなりたいなら最初はスタイル登録は使わない方がいいです。反復こそ成長するために絶対に必要な工程です。

決まりテロップはスタイル登録しても構いませんが、できるだけゼロから作る訓練をしましょう。こればっかりは数をこなしていくしかありません。
辛いかもしれませんが、かっこいいテロップをサクサク作れるようになってくださいね。


Photoshop・Premiere Pro・After Effectsなど、専門的なアプリケーションをイメージトレーニングできるwebサイトを作りました。
電車の中、ちょっとした隙間時間にお試しください。
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