公開 : 2019/06/05 : 2022/03/04
今回はPremiere Pro CCのバグかな?という経験をしたので記事にしておきます。
先月ある作業をしていたところ、シーケンス内にフレームレートが29.97と59.94が混ざっていることに気づき
どうしようかと思いましたが
「まぁ59.94素材でもシーケンス設定は29.97でやってたし問題ないだろ」
と思ってそのままフレームレートが混ざった状態で作業し納品しました。
きっちり納品した翌日に先方から
「1フレームカクついている所が何ヶ所かあるので確認して欲しい」
との連絡があり確認してみると、全て1フレームカクついていました。背筋が凍りましたね。
幸いにも先方は怒っていませんでしたが
「また同じような現象が起こるかもしれないから、今後のために検証してもらいたい」とのこと。
私も何が起こったのか知りたかったので検証してみた結果になります。
みなさんも気をつけてください。
なおこのバグは最新版のPremiere Pro CC2019ではまだ確認できていません。
目次
また、Premiere Pro CCのバージョンごとにバグをまとめた記事もあるのでこちらも参考にしてください。
フレームレートって何?
フレームレートを説明するときによく使われるのがパラパラ漫画です。
パラパラ漫画の原理は少しずつ違う絵が紙をパラパラさせたときにまるで動いているようになるものです。
フレームレートも同じで少しずつ違う画像がつながって動画になっています。
フレームレートが「29.97」の場合は、1秒間に約30枚のパラパラ漫画があると思ってください。
「59.94」は1秒間に約60枚のパラパラ漫画があります。
当然ですが約30枚のパラパラ漫画よりも、約60枚のパラパラ漫画の方がよりなめらかな動きになりますよね。
フレームレートはこのパラパラ漫画と同じ意味になるので
フレームレートが多ければ「画質がきれいになる」というのは間違いです。
編集点を入れる(スルー編集する)と1フレームカクついてしまう
今までは29.97でも59.94でも大丈夫だと思っていましたが違いました。
29.97のシーケンスに59.94素材を入れスルー編集すると、スルー編集した前後が59.94素材をうまく認識できず1フレ戻るという現象を確認しました。
まだPremiere Pro CC2019では試していませんが、おそらく1フレーム戻ってしまうと思います。
みなさんも注意してください。
スルー編集とは?
スルー編集とはただ編集点を入れるだけのことを言います。
画像のようなマークが出ている時はスルー編集(編集点が入っているだけ)の状態です。
対策と対処法を考えてみた
「選択した編集点を再生ヘッドまで変更」で素材を伸ばさなければいけない
通常のスルー編集はデリートで消すことができますが、この現象が起こった場合はデリートしても解決しませんでした。
1フレーム戻るのが残ってしまいます。
面倒ですが「選択した編集点を再生ヘッドまで変更」を使って編集点まで伸ばす方法しかありません。
このショートカットは色々な場面で使うのでキーボードに割り当てた方がいいです。
59.94を29.97に変換する
画像はAdobe Media Encoderです。
変換ソフトで事前に59.94素材を29.97に変換しても解決します。
特に29.97と59.94が混ざったシーケンスは59.94を探し出すのは困難です。
しかしこの方法も時間がかかるし容量も確保しなければいけないので余裕のある人だけが使えるのかなという印象です。
「尺を気にしなければ」あえて59.94のシーケンスで作業する
尺を気にしないで作業するならあえて59.94のシーケンスで作業してもいいと思います。
しかし「尺が変わってしまう」のでここだけ気をつけましょう。
現在の納品形式では29.97が主流なのでクライアントがいる場合は、まずは確認することが大事です。
最終的に「尺が違いました」では済まない事態になります。
スルー編集を削除したあとPremiere Pro CCを再起動する
スルー編集をデリートした状態(1フレームカクついている状態)でPremiere Pro CCを終了し
再度同じプロジェクトを起動させます。
Premiere Pro CCの起動時にスルー編集がないクリップになっているため
素材を読み込まれる時に正常に戻る可能性は高いです。
直らなかったら地道にスルー編集を無くしていくしかありません。
終わりに
Premiere Pro CCにはバグがつきものですが、フレームレートが違う素材で編集しスルー編集すると
1フレームカクつく現象が起こる可能性があるということは覚えておいて損はないと思います。
スルー編集をマーカーの代わりとして使う場合は気をつけましょう。
たかが1フレーム戻るだけですが、クライアントがいる場合はこの1フレームがミスと捉えられ
自身の信用を失いかねませんので注意してください。
電車の中、ちょっとした隙間時間にお試しください。